2011年04月20日 21:31

小雨降る春の日。

前を歩いている彼女は
目玉焼きのようなデザインの傘を差していた。
正確には
目玉焼きの黄身が大きい、の、デザイン。

ワタシ、は、その傘から目を離せずに
随分長いこと彼女の後ろを歩いている。

信号で止まると、彼女は傘をくるくるとまわした。
ワタシ、は、大好きな目玉焼きを想う。

以前、ユウジン達、と、目玉焼きについて熱く語ったことがある。
黄身は半熟、醤油が絶対だと。
あるユウジン、は、ソースがいい、と言い、
別のユウジン、は、ケチャップがいい、と言い、
邪道だ、と、ワタシ、は、叫んだ事を思い出す。

信号はいつの間にか青になり
彼女は先を歩いていた。
桜並木に目玉焼きがよく生える。
花吹雪に目玉焼き。
テンションが上がる。

よく見ると、花びらが二枚、目玉焼きの黄身に付いていた。
人間の顔のようにじっと、ワタシ、を、見ている。
目玉焼きに付いた二つの目玉、が、だ。

ワタシ、は、立ち止まり、彼女を見送った。
正確に言うと、目玉焼きの傘を見送った。

桜吹雪の中、道を折り返した。
沢山の花びらが、ワタシ、の、傘にも付いていた。


スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://suzunekoubou.blog37.fc2.com/tb.php/884-ef083d06
    この記事へのトラックバック